はじめに  SX-WINDOWの本格的な解析資料として『SX-WINDOWプログラミング』、『追補版SX-WINDOWプログラミング』が刊行されたのが1991年。あれから早くも4年の歳月が過ぎようとしています。当時はまだ実用面で不満な部分もあったSX-WINDOWも、現在では機能的にも充実したver.3.1がリリースされ、シャープからの公式な開発資料として「SX-WINDOW開発キットWorkroom SX-68K」が発売されるなど、SX-WINDOWを取り巻く状況は、4年前と比べて飛躍的に向上したといえるでしょう。  しかしながら、全国のSXer(SX-WINDOWでプログラミングを目指す人々の呼称)の期待を一身に背負って発売されたWorkroomの内容は、3年前のver.2.0相当の情報を公開するに留まり、SX-WINDOWプログラミングの開発環境は時代に取り残された形となっています。  そのような現状を打破し、追補版からの空白の時間を埋め合わせ、SX-WINDOW ver.3.1に対応した最新の開発環境を提供するとともに、『SX-WINDOWプログラミング』、『追補版SX-WINDOWプログラミング』、そしてWorkroom SX-68K と分散してしまったSXコール・リファレンスを1つにまとめ、SXコールの集大成としても機能するようにと本書は企画されました。  本書は、主にC言語でSX-WINDOWアプリケーションを開発する人を対象としたプログラミング入門、提供ライブラリなどの開発環境の使い方の解説からなる第1部と、ver.3.1まで対応したSXコールの総集編である第2部から構成されます。  大まかな内容は次のようになっています。 第1部 SX-WINDOW開発入門  第1章 SX-WINDOWプログラミングの基礎   これからSX-WINDOWでのプログラミングを始めようという人を対象に、その基礎をおさらいし、これまでのSX-WINDOWプログラミング環境の流れについて解説します。  第2章 インストール   添付フロッピーディスクから本書の筆者たちが推奨する開発環境をインストールする方法と、添付CD-ROMからSX-WINDOW用に開発されたフリーソフトをインストールする方法について説明します。  第3章 SX-WINDOW ver.3.1開発キット   Workroomを基礎としてver.3.1対応を行ったSX31KITの概説と、SX31KITによるプログラミング、callno headerの使い方についてサンプルをまじえて解説します。その他、ver.3.0になって新設されたマネージャの機能と簡単な利用方法を紹介します。  第4章 LIBSXC   X680xOのgccでSX-WINDOWアプリケーションの開発を行うにあたって必要不可欠なライブラリであるLIBSXCについて詳説します。  APPENDIX   SX31KITの構造体の詳細やLIBSXCの内部構造などについて中級者以上向けに解説してあります。   さらに、添付CD-ROMに収録させていただいたフリーソフトの一覧を簡単な紹介とともに掲載してあります。 第2部 SXコール・リファレンス  SX-WINDOW ver.3.1 に対応した全コール・リファレンスを記載しました。 添付フロッピーディスク  本書で提供する基本的な開発環境(LIBSXC,callno header,SX31KIT)、ならびに株式会社計測技研のご厚意によりCD-ROMドライバ(機能限定版)を収録しました。  インストールおよび収録内容についての詳細は「2.1 添付FDからのインストール」(p.34)をご覧ください。 添付CD-ROM  大手BBSであるNIFTY-Serveと、SX-WINDOWを中心とした草の根BBSであるNetwork-SX NGから集めうるかぎりのSX-WINDOWフリーソフトとgccやmuleなどの開発ツール一式を収録しました。いずれも秀作ばかりを贅沢に揃えましたので、CD-ROMドライブを用意してぜひお楽しみください。また、一部のフリーソフトにつきましては作者のご厚意によって、ソースファイルも添付させていただきました。SX-WINDOWでのアプリケ−ションの作成にお役立てください。  なお、収録されているフリーソフトの一覧についてはAPPENDIX C章「SX-WINDOW フリーソフト一覧」(p.171)を、インストールについての詳細は「2.2 添付CD-ROM からのインストール」(p.51)をご覧ください。 本書がSX- WINDOW 」こにあなたの窓を開く助けとなることを祈って。 1995年6月吉日 ひそやかに梅雨のふる朝に 著者代表 牛島健雄 1995年8月8日 初版第1刷発行 著者 吉沢正敏・牛島健雄・西田文彦・小浜純